子供の頃から将来はカメラマンになると決めていました。理由やきっかけは特になかったけれど。

第5回 飯田かずな Photographer

スチールも映像も根本は同じ。自分の世界観はひとつ

高校時代、真っ暗な部屋でモノクロを
初めて焼いて、大人になった気分というか、
ひとつすごいことしちゃったと

---そもそも写真に興味を持ったのは
いつ頃だったんですか?

特にめちゃめちゃ何かきっかけがあったわけではないんですよね。ただ、小さい頃、お絵描き教室に通っていて、そこの授業の一環でコラージュの授業があったんです。素材としてスーパーのチラシやカタログ、旅行のパンフレットなどを用意してくれていたんですが、それを見て「写真ってキレイだな」と思いました。切り抜いた写真を画用紙に貼り付けて、ひとつの世界を作っていく、そのコラージュの時間は一番好きでしたね。その写真がキレイだったので、自分も撮ってみたいなあと思ってはいたんです。。

---お絵描き教室で楽しいと思った時の感性、
感覚というのは今でも残っている?

そうですね。今やっているコラージュはお絵描き教室がルーツだったのかも。

ー自分のカメラを手に入れて、実際に撮り始めたのは?

小学校2、3年生だったと思います。お年玉をためて、自分専用のコンパクトカメラを買いました。

---その頃から、将来はカメラマンになると
決めていたとか。

決めてましたね(笑)。でも、なぜかわからないんですよ。本当に、理由とかきっかけが特になくて。

---やはり中学校では写真部に入ったのですか?

入ろうと思ったんですよね。実は入部寸前までいってたんですけど、兄が怖かったので断念して(笑)、美術部に入りました。2歳上の兄がめちゃめちゃヤンキーだったんですよ。私が1年生の時に兄は3年生で、学校でちょっと幅をきかせていたので、写真部に入りたいと言ったら「お前そんなオタクみたいなとこ入んなー!カッコ悪いじゃねーか!」って(笑)。

---美術部はOKだったんですか、お兄さんは。

美術部は女子しかいなかったんです。写真部は、アイドル系のおっかけの人とか、鉄道マニアの人がいるようなところで、当時はオタク感があったんです。

---それでも写真を撮り続けてはいたんですか?

当時はまだフィルムだったので、フィルム代と現像代を、お小遣いの中から出すのは痛かった。だから、大事に大事に一枚一枚撮っている感じでした。やっと24枚撮って、それでもなかなか現像に出せずにいて、お小遣いができたら出して、という状態でしたね。

---どんなものを撮っていたんですか?

近所のネコとか、自分ちのネコとか、家族とか。そんな感じです。

---高校時代はどうでしたか?

もうちょっと本格的にやりたいという気持ちになって、お小遣いを貯めて一眼レフを買いました。それが楽しくて学校に持って行ったり。高校3年生の時はアルバム委員になって、クラスの卒業アルバムのカメラマンをやりました。

---その後、写真の短大に進学するわけですが、
中学高校時代から進路は考えていた?

高校の時はもう確実にカメラマンになろうと思っていました。新聞に写真講座の案内が載っていたので応募して行ったんですが、開催場所が写真の短大だったんです。へぇーこんな学校があるんだと思って、結局そこに進学することに決めました。

---その講座を受けてみて、新しい驚きなどはありましたか?

真っ暗な暗室で、モノクロを自分で焼くことを初めて体験して、大人になった気分というか、ひとつすごいことしちゃったという気分ですごく楽しかったですね。他に受講している人は大人のおじさん達ばっかりの中で、なぜか高校生がいるっていう状況も、不思議で面白かった(笑)。

---いよいよ短大で写真を学んでいったわけですね。

短大は2年間なんですが、希望者は研究生としてさらに1年残れるシステムがあって、学校には3年通いました。ただ研究生の1年間は、自分で決めた研究課題をやるためにいつ学校に行ってもよかったので、自主性を問われる代わりにわりと自由だったんです。
その時ちょうど知り合いから紹介されて、マガジンハウスの雑誌『クロワッサン』でカメラマンのアシスタントを始めました。

ヌードが流行っていた当時、
自分だったらどう撮るかを考えた

---学校、アシスタントと並行して
作品づくりもしていたのでしょうか。

グループ展なんかはよくやっていました。男性ヌードを撮った個展をやろうと思っていて、その作品づくりを終えた頃には、アシスタントを辞めることになったんですけどね。

---学生生活もアシスタント生活も終わって、
ポラロイドで男性のヌードを撮り始めた。

当時、アラーキーさんとか加納典明さんの撮るヌードや、女性のセルフヌードがすごく流行ってて。なんでこんなにヌードが流行ってるんだろうと思っていました。でも発想の転換で、じゃあ自分なりのヌードを撮るとしたら何なんだろうと考えた時に、もっとカッコつけずに面白く撮りたい、ふざけたヌードを撮りたいという気持ちがあったんです。だからポラロイドで、しかもメンズのコスプレヌードみたいなものを撮っていたんですよね。

---作品を拝見すると、
笑っちゃうような面白い作品ばかりです。

ほんとバカみたいで(笑)。友達の男の子たちに、ノリノリでやってもらってたんです。芋づる式にノリのいい子を100人くらい紹介してもらいながら。他の人の写真を見ると、みんな負けたくないから、「じゃあオレはこうやる」って、全裸で床の間に正座したり、自転車に乗ったりとエスカレートしていきました。
そのうち、おじさんの編集者が食いついたんですよね。若い女の子が男のヌードを撮ってるっていう、話題性だけで。 当時は自分の写真や、やっている内容を見てもらえてると思ってたんですけど、それがそうでもなかった。でも、そうやってたくさん取り上げられたことで、出版社の人の目に止まって、写真集『ヌード・ア・ゴー!!ゴー!!』を出すことになったんです。

---ひとつの大きな転機になったんですね。

アシスタントを辞めて、個展して、本出して、ってトントントンと進んで、自分でも「えー!?」みたいな感じ。ただ、これだけでは食べていけないので、街の写真屋さんでアルバイトしてました。

---すぐに写真だけでやっていけるようにはならなかった。

本を出したとはいえ。しかも今考えると、ポラロイドで撮った作品で、写真の仕事が来るわけがない。「普通のカメラで撮れるの?」って思いますよね。自分では、写真屋でバイトしている期間は長く感じていました。

---その後、バイトを辞めてカメラマンだけで
やっていける、となったのは?

注目のされ方はさておき、いろんな雑誌の取材を受けるうちにそこから興味を持ってくれて、仕事を振ってくれる人もいました。そういう小さい繋がりから仕事をもらっていって、紹介、紹介でだんだん仕事が増えていって、バイトを結構休むようになったんです。それで、じゃあもう思い切って辞めようって、撮る仕事だけをやるようになりました。

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Gallery

映画『ハンサム★スーツ』本ポスター他
制作年=2008年
クライアント=アスミック・エース エンタテインメント
AD=高橋朋子(東北新社)
ST=九
HM=松澤真弓(TTA)
美術=吉田透(サンクアール)
画像処理=結城明良(アマナ)
モデル=谷原章介、塚地武雅(ドランクドラゴン)
©2008『ハンサム★スーツ』製作委員会

映画『ハンサム★スーツ』ティザー用ポスター他
制作年=2008年
クライアント=アスミック・エース エンタテインメント
AD=高橋朋子(東北新社)
ST=九
HM=松澤真弓(TTA)
美術=吉田透(サンクアール)
画像処理=結城明良(アマナ)
モデル=谷原章介、塚地武雅(ドランクドラゴン)
©2008『ハンサム★スーツ』製作委員会

宝塚歌劇宙組公演『Paradise Prince』ポスター、
チラシ、プログラムほか
制作年=2008年
クライアント=阪急電鉄株式会社、宝塚歌劇団
モデル=宝塚歌劇団(宙組)大和悠河、陽月華、
蘭寿とむ、北翔海莉
©宝塚歌劇団

書籍『ブスの瞳が恋されて』カバー
制作年=2008年
クライアント=マガジンハウス
D=古川誠二(Dual Design)
ST=田中ひとみ(Susie Drops)
HM=双木昭夫(クララシステム)
モデル&著者=大島美幸(森三中)

キャドバリージャパン『スマートタイム』広告
制作年=2008年
A&P=マッキャンエリクソン
CD=入江洋平
AD=新里碧
C=斉藤芳弥
ST=冨田しおり
HM=大渡八千代
モデル=沖樹莉亜ほか
画像処理=青山深・馬場先聖子(ピグマリオン)

 

Profile プロフィール

飯田かずな
Kazuna Iida
Photographer

1973年東京都生まれ。
東京工芸大学短期大学部画像技術科研究課程修了。
雑誌、書籍、広告、CDジャケット、テレビなど幅広いジャンルで作品を発表。
主な仕事に、『ブスの瞳に恋してる』『ブスの瞳に恋してる2』(鈴木おさむ著)表紙、『小出恵介写真集』、宝塚歌劇団宙組公演「Paradise Prince」ポスターなど。また、つんく♂プロデュースのオムニバス映画「東京★ざんすっ」「マネーざんす」では映画監督を務め、映画「ラブ★コン」「ハンサム★スーツ」ではビジュアルディレクションを担当。写真集に『MIRACLE STARS 〜KAZUNA IIDA WORKS〜』『富子と君作』『Holiday』など。

URL hwww.iidakazuna.com

Item アイテム

ロシア、スペイン、ハンガリーなど、海外で購入したもの。「ピンクのクマのぬいぐるみだけは誕生日のプレゼントなんです。前にアシスタントをしてくれた子からもらいました。疲れた時に癒されます」。

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